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サロンで室内楽を聞くように

サロンでお茶を飲みながら室内楽を聞く
ように、エレガントなジャズはいかがですか?
うぐいす色の春風とおだやかな日差しを
感じながら。
今回は「室内楽のようなジャズ」です。


「言い出しかねて」

バド・シャンク・アンド・ボブ・クーパー
”ザ・フルート・アンド・ジ・オーボエ”より 
flute.jpgフルートとオーボエのソロ。と聞いてクラシックだと思う人も いるでしょう。でもバド・シャンクもボブ・クーパーもれっきと したジャズ・プレイヤーであり、このアルバムのためにだけ 楽器を持ち替えたのではなく、それぞれ他でもこの楽器で演奏して います。あくまでジャズ・フィーリングを持ちながら、この2つの楽器の 競演により、上質な室内楽のような響きになっています。ねらいはそこにあった のかもしれません。 推薦した曲は、まずボブ・クーパーがオーボエでクラシックのごとくに、 情感たっぷりなメロディーをストレートに奏でます。それに続くバド・ シャンクのフルートが急に倍の速さで軽快にスイングしたアドリブ繰り 広げます。そして曲が再び元のテンポに戻り、ボブクーパーとバド・シャンクの かけあうようにして幕を閉じます。くつろいで洗練された曲調です。 バド・シャンクは他にアルトやテナー、バリトンなど各種のサックスを吹き分け、 ボブ・クーパーはテナー・サックスやイングリッシュ・ホルン、クラリネット を演奏します。2人とも多彩なマルチ・リード・プレイヤーです。

「やさしき伴侶を」

ザ・グレイト・ジャズ・トリオ
”ザ・クラブ・ニューヨーカー”より 
newyorker.jpgサムワン・トゥ・ウォッチ・オーバー・ミーという原題が、 「すてきな伴侶を」という邦題になるとは。ジャズでもときどき取り上げられる エブリバディ・ラブス・サムバディが「誰かが誰かを愛してる」といったように 直訳的な邦題が多い中、誰がつけたのかセンスがいいと思います。 ここでは、トリオ演奏とバイオリンのルイス・エリーが加わったカルテットの演奏の 2パターンを収録しています。注目されるのはトリオ演奏がナイト・クラブで繰り広 げされるプレイなの対し、バイオリンが加わったパターンの曲はエレガントな ”昼のお茶会で流れるような調べ”になっていることです。この両方を聴き比べると はっきり違いが分かれ、このアルバムの面白い特長になっています。 紹介した曲は、”昼のお茶会”の方で、クラシック愛好家でも聞きやすい曲調に なっています。

「過ぎ去りし哀愁〜気まぐれな貴方」

クラウス・オガーマン・オーケストラ
”夢の窓辺に”より 
gate2.jpgクラウス・オガーマンが、元はバレーのために書いたものをベースとした 組曲風の1976年の作品。 冒頭の{過ぎ去りし哀愁」からキーボードとストリングスが幻かうつつの世界に 誘ます。夜のとばりをさまよいながら、港から大海原に航海に出て行き、 やがて見つけた新しい大地で困難や罵声(アルトサックスによるアドリブ) を乗り越えがら旅をつづけていくうちに夜がしらじらと明けてくるいった感じの 曲です。 おすすめは4曲めの「気まぐれな貴方」という曲で、ストリングスとブラスの 渾然一体となったオーケストレーションが、このアルバムのクライマックスを 作ります。発表された時代的に、フュージョンよりのサウンドになっていますが、 クラシックの醍醐味も盛り込まれ、今聞いても古びないものになっています。 クラウス・オガーマンは他にも多くのジャズ・ミュージシャンと共演(ビル・ エバンス、スタンリータレンタイン、このアルバムに参加したマイケルブレッカーもそう) してますが、スタンリー・タレンタインなどはどちらかというとバックオケといった スタンスであり、このアルバムはそれらと違うオーケストラの方が主役となった作品 です。

曲の感じが暗い、重い、猛々しいだけがジャズというもの
でもありません。ジャズの曲も楽器の編成、演奏の仕方で
ずいぶん変わるものです。明るく、軽快で、柔らかいものを
紹介しました。


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