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カリブの海賊にも聞かせたい

20世紀に生まれた楽器はスティール・パン(ドラム)と
シンセサイザーだと聞きました。
カリブ海にあるトリニダードトバコでは、いたるところで
スティール・パンを演奏している音が響き、
カーニバルでは100人編成のオーケストラも
組まれ、観光客でにぎわいます。
ジョニー・デップも撮影中に聞いたかと思ったら、
ロケ地は全然別の場所!映画では多いですね。
今回は「ジャズ・カリビアン」です。

「マティルダ」

デイブ・パイク
”リンボ・カーニバル”よりプレステッジ
llimbo.jpg1961年からデイブ・パイクはフルートのハービー・マンのグループに参加していて、 その同じ時期にリーダー盤として発表した作品。 このアルバムは古くからのカリプソの曲と、カリプソにインスパイアされて ジャズメンが作曲した曲の2パターンから構成されています。「マティルダ」 「ジャマイカ・フェアウェル」などが前者で、「マイ・リトル・スエード・ シューズ」「セント・トーマス」などが後者にあたります。 デイブ・パイクはカリプソでよく使われるスティール・パンの音をマリンバに 見立て、得意のヴィブラホーンから持ち替えで演奏しました。ヴィブラホーンの 時の重厚な音作りとは違い、軽やかで踊り出したくなるような楽しさに満ちた 演奏なのでした。 デイブパイクは1938年ミシガン州デトロイト(デトロイト出身のジャズ・メンは多 い。)生まれで、ジャマイカやカリブ海の島々とは直接の関係はありません。 しかし、彼が影響を受けたチャーリー・パーカーやディジーガレスピーがカリプソ に傾倒していたことから、そこに行き着くのは当然のといえるでしょう。 ラテンやボサノバでアルバムを1枚作るプレイヤーは多くいますが、カリプソのみ にこだわったアルバムはほとんどないと思います。貴重な一枚です。

「アンダー・マイ・スキン」

アール・ブルックス
”スティール・ラブ・ワールド・ワイド”よりプレステッジ
steellove.jpg「あなたは私の肌の下に棲みついた
私の心の奥深くに
そして私の体に溶け込んだ」

コール・ポーターの作曲でフランク・シナトラも愛唱曲にしていた歌です。ここでは元がスタンダードとは思えないくらいにポップで新しい響きに仕上がっています。スティール・パンは打楽器に入りますが、高音部は涼やかな金属的な音色なのに、低音部はむしろくぐもった温かみのある音色といった相反した表情を見せます。
スティール・パンのバンドは初めはカリプソやハワイアンの曲など民族的な要素の強い曲が多かったのですが、ここ数年のうちに何回かブームが興り、古い歌、新しい歌にかかわらずカバー物が増えてきているようです。
スティールラブの主催者ヨー・ワタナベはマガジンハウスのライターを経てNYに移住。DJ,プロデューサー、レコーディング・エンジニアなど幅広い活動をしています。彼が9.11同時多発テロの時、停電したマンハッタンを対岸のブルックリンから見て感じたこと、同じ鉄から出来た弾丸や爆弾とスティール・パン。一方は破壊を繰り返し悲劇を生む。ならば自分はもう一方のスティール・パンで愛を伝えていこうと。多くのスティール・パン奏者に呼びかけて出来たアルバムです。(現在3枚のシリーズとダブ・ミックスのベスト盤1枚が出ています。)暑い夏でも涼しい気分になれる、気持ちの落ち着くアルバムです。

「メドレー〜インプレッション〜ソー・ホワット〜」

モンティ・アレキサンダー・フューチャーリング・オセロ・モリノー
”アイボリー&スティール”よりコンコード
ivory.jpgジャマイカ出身のジャズ・プレイヤーの登場です。
モンティー・アレキサンダーは1944年ジャマイカ島のキングストン生まれ。 彼の自作曲のうち特にスティール・パンの入ったものは、「ジャズ・カリプソ」といえるような陽気で楽しいリズミカルなものばかりです。トリニダードトバコやジャマイカは、テレビの映像でしか見たことがないのですが、陽光がサンサンと降り注ぐ中で音楽好きなハッピーな人々が暮らすパラダイスのような、そんな光景が音符の中から見えてくるようです。
オセロ・モリノーは1939年トリニダード生まれ。 彼の繰り出す手水メロディはピアノの早弾きにも負けていません。 その上、音色や表現力の豊かさではスティール・パンの方が勝っているかも。 モリノーのソロやアドリブを一聴すれば、彼のファンになる人もいるのでは。
オススメの曲はジョン・コルトレーンの曲とマイルス・デイヴィスの曲の メドレーですが、ほとんどソー・ホワットが占めます。 この演奏を聞けばモンティー・アレキサンダーの本質がやはり ジャズであるとわかるはずです。
mypan.jpg

6月も半ばになりました。やっと雨も降るようになったようで、
日本はこれからじめじめした季節に突入です。
昔の日本人は雨に風情を感じる心がありました。
そんな気持ちがあれば少しでも楽しくなるでしょう。


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