ハリー・ポッターは知っているが、コール・ポーターは知らない
今年はハリーポッターの新作が公開されます。
おそらく今、世界中で一番有名な魔法使いでしょう。
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「ユー・ド・ビー・ソー・ナイス・カム・ホーム・トゥ」 | ソニー・スティット |
| ”パーソナル・アピアランス”より | ヴァーヴ |
![]() | 1957年の作品。元はコール・ポーターが1942年に作曲した
もので、いくつかの映画にも使われました。
日本ではヘレン・メリルの唄ったバージョンが有名ですね。 このアルバムはソニースティットがワン・ホーン(リズム・ セクションに対して吹奏楽器が1本のみのこと)で吹きまくった もの。スタンダードの曲とスティットの自作曲が半々です。 ピアノには「モーニン」の作者のボビー・ティモンズが参加して います。 緊迫感のあるミステリアスなイントロ。何が起こるのだろうと ハラハラします。それに続くドスのきいたテナー・サックスの メロディー。邦題の「帰ってくれたらうれしいわ」を信じて もどったら、怖い事になりそうです。なんとも火曜サスペンスな 曲です。(もちろん録音されたころには、火サスは始まっても いませんが。)そういう意味で異色なアレンジです。 |
「恋とは何でしょう」 |
パット・カービー |
| ”ワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラブ(恋とは何でしょう)”より | デッカ |
![]() | 1929年のレビュー「起きて夢見て」の中の曲で、
コール・ポーターの出世作ともいえる曲です。 このアルバムは1956年の作品で、LOVEという言葉の入った恋の歌を集めたものに なっています。ジャケットは恋の授業というところでしょうか。 パット・カービーはタレント・スカウト・コンテストで 優勝経験者。例えば「アメリカンアイドル」のファイナリストの戦いを 見ていると、もうどちらが優勢なのかわからないぐらい白熱 したバトルを繰り広げていて、アメリカのコンテストはレベルが 高いですね。昔も今と変わらず歌手を夢見た実力者たちが競い合った のでしょう。その中で勝ち残ったのですから歌唱力はお墨付きなのは 間違いありません。彼女はここぞとシャウトするのでもなく、テクニックを 見せびらかせるのもなく、歌のムードを大事に歌っている感じを受けます。 そのためどのスタンダードを唄っても破綻というものがない。安心して 聞ける歌声の豊かさを持っています。 しかし、それでも売れるのは難しい世界。数枚のSP盤とこのLPを出したのみで、 消息がわからなくなったそうです。でもたった一枚しか出せなかったのではなくて、 一枚出したおかげで、こうして何十年後にみんなの耳に声が届いたのですから、 感慨深いものがあります。(一種の魔法のようですね。) |
「ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス」 |
ハリー・アレン |
| ”テナーズ・エニワン?”より | BMG |
![]() | 1939年にコールポーターがミュージカル「ジュビリー」のために書いた曲。
”あなたとの一瞬のの恋の熱狂も、そう、『よくあること』”いう、
醒めた心を唄った歌。フランク・シナトラなどが主演映画で唄ったことも
あります。 スタンダードのカバーも様々。自分の音楽性を推し進めて曲を極端に 破壊したり、動物の鳴き声のようなフリーキーな音を連発して他の共演者を 圧倒したり。まあ、料理法もたくさんあります。しかし、その曲の本来の 良さを崩さずに、まるでアドリブまで一篇の歌のように流れて淀みなく、 さらに個性をだすのは並大抵ではありませんが、そこにこそ醍醐味が あると思います。ハリー・アレンはいつもはボサノバのカバーが多いのですが、 スタンダードを吹かせても、音だけ聞くと昔のジャズ・ジャイアンツが演奏 しているかのような堂々とした雰囲気があります。まさに王道をゆくといった 感じ。若いジャズ・マンが新しさのみ追求しているのではないことがわかります。 過去に敬意を払いつつ、曲を確実に自分のものにしています。 かつて新伝承派と呼ばれたプレイヤーのように、過去の再現に留まらないところが 彼らしい生き方といえるのでしょうか。 |



