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フルカワJAZZ道場:魔女のDNA 「タバサ」

むかしむかし、ごく普通のアメリカの女の子がおり、
ごく普通の家に暮らしておりました。
家族もごく普通の家族でした。
ママの名前はサマンサ、パパの名前はダーリン。
小さなタバサと弟のアダム。
成長するにつれ両親はタバサに”アレ”があることに
気づきました。そう例の”アレ”が。(以下略)

「タバサ」
tabitha.jpg
ストーリー
このドラマは「奥様は魔女」を彷彿とさせる中村正によるナレーションのオープニングから始まります。続編とわかるように、最初は「奥様は魔女」の子供の頃のタバサの写真や映像をはさみながら、学生時代、大学卒業のシーンは主演のリサ・ハートマンへバトンタッチするという方法をとっています。日本のテレビでは未公開だと思います。 放送時期はABCテレビで1977年という「奥様は魔女」終了から5年なのですが、子供だったタバサはなぜか大人になっていて、ロサンジェルスのテレビ局でトークショーの製作アシスタントをしているのでした。
主な登場人物は、タバサの弟のアダム、叔母で魔女のミネルヴァ、 トークショー「ポール・サーストン・ショー」の司会でスターのポール、プロデューサーのマービンなどなど。 弟のアダムは「奥様は魔女」では魔法が使える子供の設定だったのに、本作ではまったく魔法も使えず、父親のダーリンそっくりのまじめ一辺倒、タバサが魔法を使うことに大反対の”人間”に育っています。職場では「ポール・サーストン・ショー」のゲストを次に誰を呼ぶかなどブッキングを担当しているのですが、ホストのポールはスター気取りのプレイボーイで、口も性格も悪く、ゲストを怒らせて帰らすこともしばしば。収録直前にゲストを変えることも良くあるので、タバサとはしょっちゅう口喧嘩になります。プロデューサーのマービンは一応ボスという立場なのに、どちらかといえば日和見的で、スターのポールのご機嫌をとります。そんな中に魔女のミネルヴァおばさんが割り込んできて、魔法でいろんなイタズラをして、騒動を巻きおこすというストーリーです。
キャスト
主演のリサ・ハートマンは女優のほかに歌手という一面も持ち、このドラマの主題歌も歌っています。「タバサ」出演以後は映画の方にも活動の場を広げています。1977年当時「チャーリーズ・エンジェル」がはやっていたため、リサの髪型はファラ・フォーセット・メジャーズに影響を受けているそうで、ファッションをみても70年代アメリカへのなつかしさを覚えます。 ブロンドの髪も顔もどこかしらサマンサ役のエリザベスモンゴメリーににていることが出演の決め手になったのでしょう。(映像特典で別のキャストによるボツになったパイロット・フィルムが収録されてます。)それと魔法を使うときに鼻を動かすしぐさが。

「奥様は魔女」の1960年代は広告代理店、「タバサ」の1970年代ではテレビ局と、時代の花形職業の移り変わりがわかります。サマンサは専業主婦でだったことは、女性は家庭にいるのが当たり前というたとえで、母親のエンドラ他の魔女や魔法使いがサマンサを家庭から開放しようとする勢力にたとえられています。時代も変わってウーマンリブもさかんになった当時は、もうそういう風刺も過去のものになってしまいました。タバサは仕事もバリバリこなし、独身の若い女性なので家庭に縛られることもなく、やはり”恋多き女性”になっています。アクション物が多かった時代の中で、現代にもつづく”キャリアウーマン”物のさきがけともいえるでしょう。
おまけに上司はブラックパワーの台頭もあり黒人になり、もう1人はプレイボーイと、ダーリンが象徴していた”堅物で家族を守るのが一番”という男性像も時代遅れになってしまったようです。そのためか、ダーリンを投影した弟のアダムは、回を追うごとに物語の中で影がうすれていくようでした。
感 想
残念ながら「タバサ」は人気が出ず1クール13本で終わっています。理由はいろいろあるとは思いますが、一番の理由は続編というわりには設定がまったく変わりすぎていることでしょう。前作の登場人物を投影したキャラクター設定にしていますが、主役級の俳優誰一人として前作に出演していないこと(後日譚なので当然ですが)がスピン・オフ作品にとっては致命的でしょう。それに加えてシリーズの前半ではタバサは両親の言いつけを守ってあまり自分から魔法を使おうとしません。結果、ミネルヴァおばさんの魔法に振り回されるだけとなり、主人公としての強烈な印象がでていない感じをうけます。ミネルヴァおばさんにしても前作のエンドラ役のアグネス・ムーアヘッドに比べると、女優の格が落ちるのは否めず、ブラックな笑いも足りなかったと思います。ドクター・ボンベイやお隣のクラビッツ夫妻もゲスト出演していたのがせめてもの救いといえるでしょう。
エピソード案で父親役の新旧ダーリン(ディッ・ヨークとディックサージェント)との共演の話もあったそうです。実現はしませんでしたが、それが放送されれば、あるいはもう少し続いていたかもしれません。 ところがテコ入れのためか、後半からはタバサはバンバン魔法を使いまくります。そうなるとテンポもよくなって面白さも増してきたところで先への含みをもたせて終わりとなります。続編として見ずに別の作品とみれば楽しい作品です。せめて半年は続いてほしかった物語です。

ジャズとは関係ないじゃないかと思う方もあるかも
しれませんが、それはアメリカのドラマのこと、
ミネルヴァおばさんが突然グランドピアノとピアノ
弾きをつれて魔法で現れ、「クラブ歌手になる」と
いって「クライ・ミー・リバー」をピアノの上で寝そ
べって歌っていました。でも正直なところ、”歌う”
というより”叫び”に近く、おせいじにもうまいとは
いえません。
でもピアノの上で寝そべって歌ったことは、
映画「フュビラス・ベイカー・ボーイズ」でミシェル・
ファイファーがやったより先ですね。


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