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フルカワJAZZ道場:マイ・フェイバリット・ソング・ブックA

マイ・フェイバリット・ソング・ブックA

~ジャズは曲を知れば楽しくなる~

かなりひさしぶりになります。お元気ですか。
今までこのブログを何度か読んでいただいて、
いろんなジャズの形があることを知ってもらえた
と思います。
ではそこから少し進んでみませんか。
ジャズのスタンダードをはじめとする曲名を
覚えると、かなり楽しくなりますよ。
まあ、自分のお気に入りの曲をチョイスするのですから、
偏りもあるかもしれませんが、なるべく有名な曲を
ご紹介したいと思います。

第一回は季節柄から「Aーエイプリル・イン・パリ」に
しましょう。

この曲のルーツ

この曲は1931年ミュージカル「ウォーク・ア・リトル・ファースター」のためにヴァーノン・デューク作曲、エドガー・イップ・ハーバーグ作詞された曲です。

「エイプリル・イン・パリ」

カウント・ベイシー・オーケストラ
”エイプリル・イン・パリ”より
aprilinparis1.jpgaprilinparis2.jpgこの曲はカウントベイシーオーケストラの十八番の曲でよくコンサートでも演奏されました。1955、56年の録音。
中でもこのアルバムのバージョンは、トランペッターであり、作編曲家のサド・ジョーンズがアドリブ・ソロをとっており、一曲の中に別の曲があるかのように口ずさめるソロになっています。
ビッグバンドのアドリブは時々童謡やトラディショナル・ソングなど、有名な曲のフレーズを中にはさんだりすることがあります。このソロも遊び心あるものになっており、楽しく歌心にあふれています。このソロはトランペットのサド・ジョーンズによるもので、当然ながらライブでは少しずつアドリブも変化しているのですが、フューチャーされているとはいえ、いかんせん短い。
そのうっぷんをはらすように、自分のアルバム、ブルノートの「マグニフィセント・サド・ジョーンズ」では、のびのびと吹いています。そちらを聞いてみると、作編曲家やビッグ・バンドのリーダーとしての面の強いサ ド・ジョーンズのソリストとしての才能に驚かされるでしょう。
そして特にオススメな部分は大盛り上がりのエンディングの後に、ベイシー御大が「ワン・モア・タイム」と声をかけると、もう一度エンディングが繰り返されるのです。得した気分でいると、もう一度「ワン・モア・ワンス」と声がかかり、3度目のエンディングが!
なんともユーモアに満ちたアレンジになっています。ぜひ聞いてみてください。

「パリの四月」

ウイントン・マルサリス
”スタンダード・タイム vol.1”より
aprilinparis3.jpg独特の跳躍感のあるフレーズで、古いスタンダードに新しい命を吹き込んでいるようです。聞いていると、ウイントンのバックでリズムセクションが目まぐるしくテンポやリズムを変えています。それをなんでもないかのように平然とソロを繰り広げるあたり、すごい実力だと思います。そのリズムの変幻自在さもウイントンの指示があってのものでしょうが。
ウイントン・マルサリスは1961年ニュー・オリンズ生まれ。父はピアノで地元でジャズの教育をしているエリス・マルサリス、長兄はテナーサックスのブランフォード・マルサリスで、ウイントンは次男にあたります。三男のデルフィーニョはトロンボーン、四男のジェイソンはドラムと、音楽一家です。彼が1980年アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズでデビューしてから、それまでフュージョン全盛で肩身の狭い思いをしていたメイン・ストリームのジャズが徐々に復権していきました。ウイントンとブランフォードの2人を中心として若手の実力派が集まり、ジャズの伝統に回帰する「新伝承派」と呼ばれるようになります。 彼の演奏は一聴クールで、情熱に突き動かされるというより、考え抜かれた曲構成になっているので、頭でっかちでよく熱さがたりないといわれました。しかし今改めて聞きなおしてみると「80年代という時代を反映したスタイリッシュな情熱」を感じます。時代の風潮で”熱くならないことがかっこいい”というのがありました。でも曲を聞き進めていけば、かなりエキサイティングな気持ちになれると思います。他のプレイヤーにマネ出来ない超絶テクニックと曲構成の力があるからです。
このアルバムは1986年にリリースされたスタンダード集なので、ジャズを代表する曲が多く、スタンダード曲を楽しむのにオススメです。

「パリの四月」

ハリー・アレン
”ダウン・フォー・ザ・カウント”より
aprilinparis4.jpg他の2枚のアルバムに比べかなりゆっくりしたテンポでパリの異国情緒たっぷりに穏やかな春の雰囲気が感じられます。でもオリジナルのテンポはこちらが近いのではないでしょうか。もともとミュージカルの歌の曲だということもありますし。題名からくるイメージにもふさわしいと感じます。
このアルバムはカウント・ベイシーに捧げられたもので、収録されている曲もベイシーを代表するナンバーばかりです。どの曲も彼のテナーの太い低音が、ベイシーナンバーの良さを最大限に表現しています。 プロ、アマチュアを問わず、ジャズを志すプレイヤーは、その成長過程でいろんなジャズ・プレイヤーの曲に出会います。そのたくさんの影響を受けた曲の中からいくつかを、プロでは自分のアルバムの収録曲にする人もかなりいるでしょう。
ハリーアレンは1966年アメリカ、ロードアイランド生まれ。影響を受けたプレイヤの1人にスタン・ゲッツを上げています。彼は多くのボサノバの曲をカバーしていますが、ルーツはおそらくそこからなのではないでしょうか。また今回のアルバムのカウント・ベイシーは、高校生の頃父親にコンサート連れて行かれてから、熱心に聞くようになったといいます。カウント・ベイシーは1984年に亡くなって、その頃18歳ですから、1981~1984年ごろだと推測されます。亡くなる2年前と1年前にコンサートで来日していて、2年前の方は福岡での公演が自分もあり聞く事ができたので、同じようなレパートリーの演奏を聞いたんじゃないかなあと勝手に思います。
ただその時に演奏された曲は3曲くらいで、アルバムには古い時代の曲もあり、ベイシーファンをうならせる選曲もあり、ベイシー・トリビュート・アルバムとしてだけではなく、ジャズアルバムとしても完成度の高いものになっています。

曲にも”流行りすたり”があるようで、有名な曲の割には最近はあまりカバーされないようです。
同じ四月の曲でもアイ・リメンバー・エイプリル(四月の思い出)の方が、ジャズ・ミュージシャンには今は人気があるみたいですね。


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